「こも豆腐」を「おでん」に使うと出汁をたっぷり吸い込みます。
飛騨の郷土食材で出汁を楽しむ
”出汁を運ぶ「こも豆腐」”
鰹と昆布の出汁でじっくり煮た「こも豆腐」、同じ出汁で巻いた出汁巻きと、小松菜。
煮物のようでもあり、とても上品な京都風の「おでん」のようでもある。
出汁が自慢の料理には、この飛騨の郷土食材である「こも豆腐」をおすすめしたい。
スポンジのように自慢の出汁を吸って、口まで運んでくれる。おでんに、鍋に、煮物に…これからの季節に大活躍の豆腐です。

□庶民の支え合いから生まれた「こも豆腐」
スポンジのように味を染み込ませ、
出汁の美味しさを口に運びます!

わらを編んだ「こも(菰)」で豆腐を包み煮た「こも豆腐」は、表面についた菰の模様と、中に入った鬆(す)が特徴的です。この鬆(す)に出汁の味がよく染み込みます。
飛騨地方の郷土料理として有名ですが、茨城県や福島県、群馬県などの一部の地域でも作られています。
肉が簡単に手に入れられなかった時代は、豆腐はたんぱく質を得られる大切な食材でしたが、あまり日持ちがしないことから、みんなで藁を持ち寄り、そこに豆腐を詰めて大鍋で塩ゆでしたという、庶民の支え合いから生まれた料理だと言われています。

「こも豆腐」へ上手く味を染み込ませるのは、料理人の技術。濃すぎず、薄すぎず、絶妙な味付けの「こも豆腐」は箸が止まらなくなるほど美味しいものです。皆様なら、この鬆(す)にどんな味を染み込ませますか?
これからの季節のオススメは「おでん」です。
おでん具から出た旨味全てを吸い込んだ「こも豆腐」の味わいは、他の具材では表現できないほどに深く美味しいものです。是非お試しいただきたいものです。

□野口豆腐の「こも豆腐」
菰(こも)で巻いて火入れをした飛騨を代表する郷土食材。火入れをすることで食材が長持ちするのと、中にすが入って煮ると味がよく染み込みます。野口の「こも豆腐」は弾力を残した巻具合で硬すぎず、中身はしっかり詰まっている濃さがあり食べごたえがあります。

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